<写真:image.poste-vn.com>
勤務時間外に従業員が業務用端末を職場に置いたまま連絡を絶ち、緊急対応が滞るケースがベトナム企業で課題となっている。
工業用化学品を供給する会社では、夜間に顧客工場で化学品不足が判明し、追加配送を求める連絡が入ったものの、受注担当者が終業後として応答しなかったため、対応が予定より遅れ、顧客対応に支障が生じた。
同社では顧客情報や業務システムを会社支給のパソコンや携帯電話で管理しているが、従業員の約2割、主にZ世代が終業後に端末を職場へ置き、「仕事との接続を断つ」働き方を選んでいるという。
会社側は新たな業務を勤務時間外に指示しておらず、緊急対応に参加した従業員には法令に基づく時間外手当を支給しているが、業務の一部が完全に止まることで顧客対応や社内連携に影響が及ぶとしている。
人事分野の専門家は、こうした傾向が特にZ世代や一部のミレニアル世代で顕著であると指摘する。
デジタル技術の普及で仕事と私生活の境界が曖昧になった反動から、精神的な健康や私生活を守るため、自ら境界線を設ける人が増えているという。
欧州では新型コロナウイルス禍以降、「つながらない権利」を法制化した国もある一方、ベトナムでは労働法への導入が提案段階にとどまっている。
2022年頃からは、終業後のメール返信や週末対応を当然と考えない従業員が増え、Navigos Groupの2026年賃金・労働市場報告では、約60%が時間外労働をしていないと回答した。
専門家は、勤務時間外の休息は正当な権利である一方、あらゆる状況で機械的に連絡を絶てば、危機対応や顧客サービスに空白が生じる恐れがあると指摘する。
専門家は、緊急要請に直ちに対応できない場合でも、受信確認や対応可能な時刻、代替案を簡潔に伝えるだけで社内調整が円滑になると助言する。
また企業側にも、常時オンラインを前提とするのではなく、当番体制や緊急時の連絡手段、時間外手当などを明確にした運用体制を整え、事業継続と従業員の休息を両立させることが求められるとしている。







































