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太平洋で発達中のエルニーニョ現象が過去150年で最も強力な規模となる可能性があり、その影響で2027年が観測史上最も暑い年になる恐れがあると、研究者らが予測している。
科学誌「Nature」によると、複数の気候モデルは2026年のエルニーニョによる気温上昇が過去の記録を大きく上回る可能性を示している。
気候研究機関バークレー・アースの気候科学者ゼーク・ハウスファーター氏は、太平洋の海面水温のピークが2015~2016年の記録を約0.8℃上回る可能性があると指摘した。
気候変動と重なれば、来年の世界平均気温は産業革命前より1.7℃高くなり、パリ協定で示された1.5℃の水準を上回る可能性があるという。
また、今後数カ月で気温が大きく上昇し、2026年が観測史上最も暑い年となる可能性もあるとしている。
米国海洋大気局(NOAA)は7月20日に公表した予測で、年末までに歴史上でも最も強い部類のエルニーニョが発生する確率は80%で、その状態は少なくとも2027年4月まで続くとの見通しを示した。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「世界はこれを緊急の気候警告として受け止めるべきである。エルニーニョは地球温暖化をさらに深刻化させる」と述べている。
研究者らは、今回のエルニーニョが前回からわずか2年で発生した点にも注目しており、気候変動の影響でエルニーニョがより深刻化する方向へ変化している可能性があると分析する。
強いエルニーニョは猛暑や干ばつ、洪水、森林火災を引き起こし、経済や生態系にも大きな影響を及ぼすとみられる。
ダートマス大学のジャスティン・マンキン氏らは、1997~1998年のエルニーニョに伴う異常気象で、その後の世界経済成長が累計5兆7000億ドル(約920兆円)押し下げられたと推計している。
現在の予測どおりに推移した場合、2032年までの経済損失は10兆ドル(約1600兆円)に達する可能性があるという。
さらに、海草やコンブ林、サンゴ礁など海洋生態系への打撃に加え、アジアの一部では干ばつ、南米の一部では豪雨が発生し、農作物や食料供給にも影響を及ぼす恐れがある。
食料価格の上昇やインフレ圧力の長期化により、インド、インドネシア、ベトナム、タイなど南アジア・東南アジアの国々では金融引き締めが長引く可能性も指摘されている。




































