<写真:tuoitre-vn>
ベトナムの若年労働力として注目されるZ世代について、専門家や企業関係者はその強みと課題の双方を指摘している。
デジタル技術への高い適応力や語学力を背景に企業からの需要は大きい。一方で、規律や忍耐力の不足が早期離職や人材淘汰のリスクにつながる可能性もあるとされている。
Z世代はインターネットやデータ環境に囲まれて育った「デジタルネイティブ」である。
情報技術や人工知能(AI)の活用能力、マルチタスク能力、新しいトレンドへの適応力などにおいて優位性を持つ世代である。
さらに、企業に対して透明性や柔軟性の高い職場環境を求める傾向が強く、結果として労働市場全体における職場基準の引き上げを促しているとの指摘もある。
しかし、多くの専門家は、過去の世代と比較して職業的成熟度や規律、組織への長期的な帰属意識が弱い傾向を指摘している。
昇進への期待が高く、職場環境が自身の期待と一致しない場合には転職を選択しやすい点も特徴である。
バクニン省雇用サービスセンターの元副所長によれば、Z世代は技術理解が速い一方で忍耐力が低く、自由度の高い働き方を重視するため離職に至りやすい傾向がある。
企業側も若年人材の特性を踏まえ、その強みを生かす制度づくりを進めている。
台湾系電子機器メーカーであるペガトロン・ベトナムの黄仁杰総経理は、Z世代について「活力と創造性、技術への適応力を備え、労働コストの面でも競争力がある」と評価する。
一方で、英語や中国語などの語学力、さらには専門知識の強化が不可欠であるとも強調する。同社では将来性の高い人材に対し、経営幹部が直接指導する育成制度も導入している。
また、日本の衛生陶器メーカーTOTOベトナムによれば、Z世代はインターネットやSNSを通じて大量の情報に日常的に触れているため、分析力や改善提案能力に強みを持つ。
現場では他産業の技術活用を観察し、生産性向上につながる改善案を提案することを積極的に奨励しているという。
教育機関もこうした変化に対応を進めている。
バクニン工業短期大学のブー・クアン・クエ学長は、電動車や自動化技術など急速な技術革新を背景に世代間ギャップが拡大していると指摘する。
同校では専門教育に加え、デジタル能力、職業倫理、さらには心理的対応力の育成にも力を入れている。
人材サービス会社マンパワー・ベトナムの幹部によれば、Z世代は多様なスキルを持つ一方で、ストレス耐性や粘り強さが不足する傾向があるという。
選択肢の多さから挑戦と離脱を繰り返しやすく、批判に対して感情的に反応するケースも見られるとされる。
専門家は、Z世代の労働者が長期的なキャリアを築くためには、専門能力の向上に加え、語学力やソフトスキル、そして責任感を高めることが重要であると強調している。
これらの能力は個人の収入や就業機会だけでなく、将来的には国家全体の労働生産性にも影響を及ぼす要素である。


































