<写真:taichinhdoanhnghiep.net.vn>
ベトナムのイチゴ輸出が急増しており、税関統計によれば、2026年初の2カ月間の輸出額が約340万ドル(約5億4184万円)に達し、前年同期比で約2000倍と大幅に伸びた。
すでに2025年通年の約174万ドル(約2億7730万円)を上回っており、新たな高付加価値農産品として注目されている。
イチゴは2021年時点では輸出額が約6000ドル(約95万6190円)にとどまるなど、ほぼ無名の存在であったが、ここ数年で急速に市場を拡大した。
果物・野菜全体に占める比率は依然として0.34%と小さい。
しかし、ドリアンやドラゴンフルーツ、バナナ、マンゴーといった大量輸出品に依存してきた構造から、高付加価値品へ多角化する動きを象徴する事例である。
輸出先は中国、韓国、日本、シンガポール、マレーシア、タイ、欧州連合(EU)、中東などに広がっている。
ただし現状では冷凍やフリーズドライ、加工原料向けが大半を占めており、生鮮品の比率は低い。これは品質保持や物流面での制約が背景にある。
国内では主要産地であるソンラ省とラムドン省のダラットを中心に栽培面積が拡大している。
ソンラ省では600ha超、年間生産量1万トン以上に達し、ラムドン省でも高付加価値型の施設栽培が進められている。
高品質品種の導入や温室、点滴灌漑、作期分散などの技術導入により、生産量は着実に増加している。
一方で供給拡大に需要が追いつかず、国内価格は下落傾向にある。輸出規模も依然として限定的であり、生産者の収益は不安定である。
業界関係者は、保管技術や物流インフラの強化、輸出市場のさらなる開拓が課題であると指摘する。
イチゴは世界的に「量」より「質」で競う農産品であり、韓国などは品質重視により高い輸出価値を実現している。
ベトナムは生産コストの低さと品質向上を背景に、中価格帯市場での競争力を高める余地がある。
輸出額が数千ドル規模から数百万ドル規模へと拡大したイチゴは、ベトナム農業における新たな成長分野として期待される。
短期的に大規模産業化は容易ではないものの、付加価値の高い輸出ニッチとして、従来品依存からの脱却を促す可能性がある。










































