〈写真:tuoitre.vn〉
銀行や決済プラットフォームが越境デジタル決済の導入を加速させる中、海外旅行時のベトナム人の消費行動が大きく変化している。
QRコード決済やスマートフォンのタッチ決済、国際電子ウォレットの普及により、現金への依存は急速に低下している。
ホーチミン市在住の旅行者は、タイで銀行アプリを使ってQRコードを読み取るだけで、ホテルや飲食店、屋台まで支払いが可能になったと話す。
決済時には現地通貨バーツとベトナムドンの換算額が表示され、空港での両替よりも有利なレートとなる場合もある。
韓国を訪れた利用者も、飲食や買い物、タクシー利用などのほぼ全てをVisaカードで支払っており、現金はほぼ使用しなかったという。
現地ではカードやデジタル決済のみ対応する店舗もあり、利便性に加え、キャッシュバックなどの特典も利用できる。
国際ツアーガイドによると、中国や英国、欧州各国ではデジタル決済が日常的に普及しており、ベトナム人旅行者にとっても安全性や支出管理の面で利点がある。
取引はアプリ上で記録され、認証手段としてワンタイムパスワードや生体認証が用いられるため、セキュリティも強化されている。
海外渡航需要の拡大もこうした動きを後押ししている。統計総局によると、2025年のベトナム人出国者数は約670万人で、前年同期比26.4%増となった。
2026年も増加傾向が続き、4月だけで120万人超に達した。
こうした需要を背景に、国内銀行は越境決済サービスの拡充を進めている。
ベトコムバンクはアプリ「VCB Digibank」で国際QR決済機能を導入し、50以上の国・地域で利用可能とした。
利用者は外貨への両替なしにドン口座から直接支払いができ、為替レートも事前に確認できる。
また、決済インフラを担うNAPASはタイの決済ネットワークと連携し、ベトナムの銀行アプリで現地店舗のQRコード決済を可能にした。
この仕組みはラオスやカンボジアにも拡大し、中国や韓国、日本などへの展開も進めている。
銀行各社は特典強化にも動く。VPBankは中国銀聯と提携し、対中取引で外貨手数料を無料とするクレジットカードを投入した。
海外利用で最大4%の還元を提供するなど、旅行や出張需要の取り込みを狙う。
中国でも国際カードの受け入れが拡大しており、ベトナム人の海外渡航増加に伴い、越境デジタル決済は日常的な手段として定着しつつある。
銀行や企業による国際決済エコシステムの構築も一段と加速している。






































