〈写真:thanhnien.vn〉
ベトナム企業の約3分の1がAIを戦略的優先事項と位置付ける一方、実際に高度に活用できる段階にある企業はわずか3%にとどまることが明らかになった。
人材ソリューション企業タレントネット・アカデミーが公表した「2026年ベトナム企業の人材能力準備度調査」によるもので、金融、テクノロジー、製造、不動産、農業など17業種の161社を対象に実施した。
同社のグエン・ミン・タム社長は、ベトナムで事業を展開する企業はAIの重要性を認識する段階を過ぎ、適応の段階に入ったと指摘する。
AIは業務や運営の在り方に直接影響を及ぼし、必要とされる能力の再定義を迫っているという。
調査では、31%の企業がAIを売上成長や市場多様化、業務効率化と並ぶ戦略的優先事項と回答した。
しかし、将来的にAIを自社で主導できると評価した企業は約3%(5社)にとどまり、多くは試行段階や部分的な導入にとどまっている。
LinkedInのダレン・チェン成長責任者は、ベトナム企業のAI導入は増加しているものの、多くがメール作成、誤字修正、アイデア整理、会議資料の下書きといった基本業務に限定されていると指摘する。
より高度な活用には、IT部門に限らず全社的にAIを浸透させるとともに、職種ごとに適切なスキル水準を整備する必要があるとした。
また、AI人材の育成は一度きりの研修では不十分で、長期的な人材戦略と適切な採用が不可欠であると強調した。
タム氏は、企業間の競争優位はAIの知識量ではなく、実際の活用度と深度にあると指摘する。
企業は導入意欲こそ高いものの、既存の人材能力が急速な需要拡大に追いついていないと分析した。
特に中間管理職は、戦略と日常業務をつなぐ立場としてAI活用の負担が大きく、従来のKPI管理に加え、チームの指導やAI業務の統括も求められている。
LinkedInによると、ベトナムにおけるAI関連求人は昨年末以降約60%増加し、地域でも高い伸びを示しているが、実際に採用に至る割合は3%未満にとどまる。
一方で、労働者側の意識変化も進んでいる。LinkedInのデータでは、84%がAIは自身のキャリアに前向きな影響を与えると考え、新たな知識の習得に取り組んでいるという。






































