<写真:dantri.com.vn>
ベトナムで2026年初めの5カ月間にデング熱の感染者が5万人を超え、前年同期の2.5倍に増加するなど、流行が従来の傾向を崩している。
6月10日にハノイで開かれた座談会で専門家らが明らかにした。重症化して入院する患者数も増加している。
専門家によると、デング熱は特定の地域や年齢層に限定されなくなり、流行の周期も短縮している。これまで感染例が少なかった北部の多くの省を含め、全国各地で発生している。
世界保健機関(WHO)ベトナム事務所代表のアンジェラ・プラット氏は、気候変動による蚊の繁殖環境の拡大、急速な都市化とインフラの未整備、疫学的特徴の予測困難化の3要因が流行変化の背景にあると指摘した。
保健省によると、2022年の感染者数は約37万1000人に達し、近年は年間平均で約15万人となっている。
2025年は従来であれば減少する年末(11月、12月)にも感染が高水準で推移した。
また、高温多湿に加え長雨が続く気象条件が媒介蚊の増殖を促しているほか、血清型「DENV-2」が優勢となり重症化リスクが高まっているという。
患者の年齢構成も変化している。10年以上前は南部での感染者の60〜70%が15歳未満の子どもであったが、現在は子どもと15歳以上の成人の割合がほぼ同程度となり、家族の誰もが感染し得る状況となっている。
一方で、自己判断による市販薬の使用など、軽視する意識が依然として課題とされる。
発症後3日目から5日目にかけて解熱した段階で重症化するケースが多く、発見の遅れが死亡リスクを高めると指摘されている。
重症患者の治療費は数億ドン規模に達し、1症例あたり約5億〜6億ドン(約300万〜360万円)に上る場合もあり、医療体制と家計の双方に負担となっている。
こうした中、AIを活用した早期警戒システムの構築が進められている。
感染拡大の予測精度向上が期待されるほか、ベトナムではデング熱ワクチン1種の使用が承認され、拡大予防接種への導入に向けた試験導入が予定されている。
保健当局は今後、ワクチンの効果検証と並行して、蚊の駆除や疫学監視、治療体制の強化、環境・気象データの活用による早期警戒を進める方針である。



































