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ベトナムの労働力5370万人のうち、学位や資格を持つ「訓練修了者」の割合は2026年上半期時点で29.7%にとどまり、7割超は統計上この区分に含まれていない。
一方で、長年の実務経験を通じて技能を身に付けながらも、その能力が体系的に認定・可視化されていない人材が数多く存在しており、労働市場では実際の技能を適切に証明できないことが課題となっている。
技術革新に伴い、職種ごとに求められる能力は急速に変化している。
マーケティング担当者にはデータ分析やAIの活用能力が求められ、技術者はシミュレーションソフトやデータを扱う力が必要となるなど、同じ職種でも必要な技能は変わり続ける。
このため、学校教育で取得した学位だけでは実際の能力を十分に示せず、短期研修や実務経験を通じて培った技能も評価対象とする仕組みが重要性を増している。
2026年6月に公表されたOECDの報告書「A Skills-First Labour Market」も、労働市場は学位中心から、実証可能な技能を重視する方向へ移行しつつあると指摘する。
転職や職種転換、生涯学習が一般化する中では、労働者が実際に身に付けた能力を継続的に記録し、認証する制度が求められるとしている。
こうした課題への対応策として提案されているのが「スキルパスポート」である。
大学や職業資格だけではなく、短期講座の修了、職業資格、実務経験、再教育の成果などを継続的に記録するデジタルの能力情報で、転職や新たな技能習得に応じて更新されることを想定する。
シンガポールの「Careers & Skills Passport」や欧州連合(EU)の「Europass」のような事例も紹介されている。
さらに、多数のスキルパスポートを標準化して集約すれば、国全体の「スキルマップ」の構築も可能になる。
産業や地域ごとの技能の過不足や再教育が必要な分野を把握し、人材育成政策を学位や資格の数ではなく、実際の技能や不足分野に基づいて進められるようになる。
ベトナムが半導体、AI、デジタル技術、グリーン経済分野の人材育成を目指す中では、技能を可視化し認証・活用する仕組みの整備が重要になるとの見方を示している。









































