<写真:tuoitre-vn>
ベトナム北部のバクニン省では、製造業各社が高額の入社奨励金や紹介報奨金を打ち出し、激しい採用競争を繰り広げている。
生産拡大や新工場建設を背景に人手不足が深刻化しており、工場労働者は各社の「争奪戦」の対象となっている。
縫製大手クリスタル・マーティン・ベトナムは、毎月300〜1000人の縫製工を採用する計画であり、2026年通年では5000〜6000人の確保を計画している。
3月には新規入社者に対し600万〜800万ドン(約3万6340〜4万8450円)の奨励金を支給したほか、夜勤免除や無料送迎バスも導入した。
熟練工では、月収が1500万〜2000万ドン(約9万840〜12万1120円)に達する例もある。
電子部品分野でも、採用条件の引き上げが進められており、中国系のゴアテックグループ企業であるGoertek Vinaは、2026年4〜6月期に約4万人、通年で12万人の採用を急いでいる。
バクニン省の新工場向けに組み立て要員を大量募集しており、一定期間の出勤条件を満たした場合には、月最大1000万ドン(約6万1000円)の奨励金を支給する方針である。
基本給も3月から引き上げた。
米アップルや韓国サムスン電子の供給網を担うラックスシェアICTも、バクニン省の工場で新規採用者や紹介者を対象とした報奨制度を設けている。
新規採用者は、26日、52日、78日の所定出勤日数を満たすことで、合計700万ドン(約4万2390円)を受け取ることが可能である。紹介者への報奨金は最大800万ドン(約4万8450円)に上る。
バクニン省雇用サービスセンターによれば、同省の2026年の採用需要は23万人を超える見通しであり、1〜3月だけでも約10万人に達するという。
需要の約7割は電子産業が占めており、縫製や建設など他業種との人材獲得競争をさらに激化させている。
外資系大手は新工場建設や生産増強を進めており、採用の7〜7割5分は未経験者を含む一般労働者が占める状況である。
もっとも、高額報奨金を競い合う採用戦略には副作用もある。企業は短期的には人員を確保できる一方で、定着率の低下を招きやすく、採用と教育を繰り返す負担が重くなる。
労働者側も、報奨金を求めて転職を重ねれば、雇用の安定や社会保険の継続加入、技能の蓄積に支障が生じるおそれがある。
このため、同センターは企業に対し、一時金の上積みに頼るのではなく、基本給や福利厚生の改善、労働環境の整備、技能訓練や昇進制度の充実を通じた定着策を強化するように求めている。
あわせて、人材供給地の拡大や職業学校との連携も、持続的な採用確保に向けた重要な課題となっている。





































