<写真:baomoi.com>
ベトナムのハノイ市人民評議会は3月28日、同市の今後100年を見据えた総合計画を可決した。計画では、2065年以降にハノイ市を「グローバル都市」とする構想を掲げ、人口を2000万人以下に抑える一方、1人当たり域内総生産(GRDP)を最低9万5000ドル(約1517万2450円)まで引き上げる目標を盛り込んだ。
この計画によれば、2035年までにハノイを「文化・文明・現代性・幸福」を備えた都市へ発展させ、アジア太平洋地域有数の経済、教育、医療、イノベーション拠点とする方針である。2026〜2035年の平均GRDP成長率は年11%超を目指し、2035年のGRDP規模は約2000億ドル(約31兆9420億円)、1人当たりGRDPは1万8800ドル(約300万2550円)を想定する。あわせて、デジタル経済の比率をGRDPの50%、文化産業の寄与を約10%まで高める考えである。
2036〜2045年には都市の全面的な近代化を進め、2045年のGRDPを約6400億ドル(約102兆2144億円)、1人当たりGRDPを最低4万2000ドル(約670万7820円)とする目標を掲げた。この時点での人口は1500万〜1600万人を見込む。さらに2046〜2065年には「グローバルで幸福な都市」への移行を目指し、平均成長率は年5%超、2065年のGRDPは約1兆9200億ドル(約306兆6430億円)、1人当たりGRDPは最低9万5000ドル(約1517万2450円)を目標とする。人口は1700万〜1900万人を想定し、世界で最も幸福度の高い首都の上位10都市入りを狙う。
100年先を見据えた長期構想では、文化、観光、ヘルスケア、商業、金融、物流、創造産業、高度技術を活用した都市型農業を成長の柱と位置付け、人口は2000万人以下で安定させる方針である。現在のハノイの人口は約880万人で、2025年の経済成長率は8.16%、経済規模は630億ドル(約10兆6173億円)とされ、全国2位の経済都市である。
今回の計画では、交通渋滞、都市秩序の乱れ、環境汚染、内外縁部での浸水という4つの課題の解消も重要な柱とされた。党の最高指導部も、これらの問題に対する抜本的な対応を求めている。
計画の実現に向けて、市は11の重点施策を打ち出した。広域連携では、ハノイ市を首都圏と紅河デルタ地域、北部重点経済圏をけん引する中核都市と位置付け、環状道路や放射高速道路、地域間鉄道によって周辺地域との接続を強化する。都市構造では地下鉄を基幹交通機関とし、路線網の総延長を約1200kmへ拡大する構想である。
成長拠点の形成では、北部の空港都市圏や西部のホアラック科学技術都市に特別制度を導入し、都心部への人口集中の緩和を図る。都市運営では、デジタルツインや人工知能(AI)を活用し、交通政策や都市計画の意思決定を仮想空間で事前検証可能な仕組みを整備する。2035年までにはデジタル経済比率を50%に高めるとともに、公共交通を100%クリーンエネルギー化する方針である。
都市再編では、旧市街や旧フランス街区、老朽集合住宅、西湖周辺、タンロン城跡やコーロア城跡、文廟などの歴史地区を保全しながら再開発を進める。環状1〜3号線沿線でも再整備を進め、創出される余剰地は都市インフラや緑地として活用する計画である。地下空間の活用も重視しており、貯水・排水施設や地下駐車場の整備を進め、都心部の地下化率を40%超まで引き上げる目標を掲げた。
また、低空域を活用する「空間経済」も新たな施策として盛り込まれた。高度3000m未満の空域を都市計画に組み込み、医療や物流向けドローン、空飛ぶタクシーの運用を想定した拠点や飛行回廊の整備を進める。さらに、紅河を首都発展の象徴的な軸と位置付け、両岸には「遺産の道」や生態公園、創造・娯楽空間を整備する方針である。
このほか、市南部では第2空港の建設余地を確保し、空港都市と複合物流拠点の形成も検討する。環境対策では、トーリック川、ニュー川、ダイ川などの水系再生を進めるほか、生活排水処理の集約、低排出区域の設定、森林や緑地の拡充にも取り組む。
計画の実行に必要な投資金は、首都法に基づく特別制度を活用し、財政支出への依存から、都市開発そのものによって資金を生み出す仕組みへ転換する考えである。2035年までは、地下鉄網、広域環状道路、紅河横断橋など骨格インフラの整備を優先し、沿線開発を通じた資金確保も進める方針である。








































