〈写真:baodautu.vn〉
ホーチミン市南部の不動産市場では、住宅需要が高止まりする一方で新規供給の不足が長年続いており、既存のマンション価格が上昇している。
同地域は都市化の進展が速く、インフラやサービスが比較的整備されているが、新築マンションの供給は限定的である。
現在の取引の大半は、数十年前に開発された既存プロジェクトの流通市場に集中している。
価格も上昇傾向が続いており、既存マンションの取引価格は立地や品質に応じて1㎡当たり1億〜3億ドン(約60万〜180万円)の水準となっている。
また、第4トゥーティエム橋やグエンコアイ橋、都心と南部を結ぶ地下鉄計画など、インフラ整備の進展が同地域の需要を下支えしている。
こうした中、供給不足の緩和に向けた新規プロジェクトも登場している。
6月初旬には、ベトナム、日本、シンガポール企業による合弁が、ニャーベ地区で「TTジェネシス」プロジェクトを発表した。
約1400戸規模で、総投資額は2兆ドン(約120億円)超である。
同プロジェクトは、日本のコスモス・イニシア、ヒノキヤグループ、コテラス、シンガポールのベトマックス・キャピタル、ベトナムのTTキャピタルの5社連合により開発される。
合弁会社のグエン・ディン・チュオン社長は、南部では新規供給が非常に限られている一方、インフラ整備や周辺環境の充実が進んでいると指摘する。
実需は大きいが選択肢が乏しく、取引の多くは既存物件の転売市場に依存しているとした。
一方で、市場では商品開発の方向性にも変化がみられる。従来は立地や規模で競争していたが、近年は居住体験や多様なニーズへの対応が重視されつつある。
例えば、タイニン省ベンルックで発表された「ジェネラ・バイ・ザ・ソリア」では、各戸にプールを備えた商業併用住宅が導入されるなど、従来は高級住宅に限られていた設備を取り入れる動きが出ている。
開発各社によると、購入者は単なる住居としてだけではなく、生活空間や長期的な資産価値の観点も重視しているという。
専門家は、供給の回復が市場の立て直しの鍵になるとした上で、差別化された設計や多様な需要に対応した商品が今後の市場の活性化に寄与すると指摘している。






































