<写真:image.poste-vn.com>
高齢化が進むベトナムで、安全性や子や孫とのつながりを重視し、戸建て住宅からマンションへ住み替える高齢者が増えている。
かつては住み慣れた家を離れることに抵抗を感じていた人でも、段差の少ない住環境や家族との交流のしやすさを理由に考えを改める例が目立つ。
ある一家は、1990年に建てられた戸建て住宅からマンションへ転居した。当初、高齢の母親は、共同住宅での生活やエレベーター待ちを懸念して反対していた。
しかし転居後は階段の上り下りが不要となり、警備体制への安心感も加わって睡眠の質が向上したという。
180m²のデュアルキー型住戸では生活空間を分けながらも玄関を共有しており、孫と顔を合わせる機会も増えた。
他にも庭付き住宅で暮らしていた高齢夫婦が、娘家族の近くのマンションへ移り住んだケースもある。
高齢になるにつれ広い戸建ての維持が負担となる一方、マンションでは転倒の不安が減り、家族との交流や住民同士の交流が日常的になったとしている。
2026年上半期のBatdongsan.com.vnのデータでは、住宅購入者のうちマンションを優先する割合はハノイ市で59%、ホーチミン市で54%に達した。
人口高齢化が進む中、平坦で安全な住環境を求める動きが背景にある。
Savillsハノイは、この流れは一時的な流行ではなく、高齢化の進展、核家族化による在宅介護の難しさ、高齢者向け住宅市場の成熟という3つの要因が支えていると指摘する。
ある建築家も、日本やシンガポール、オーストラリアなどでは、高齢者住宅が診療所やリハビリ施設、公園などと一体化している点を共通点として挙げた。
また、高齢者施設の責任者によれば、庭付き住宅での老後を理想視する人は多いものの、実際には活動量の低下や転倒リスクが課題になる。
WHOのデータでは、65歳以上の約30%、80歳以上では約50%が毎年転倒を経験し、その半数は繰り返し転倒するという。
高齢者に必要なのは段差の少ない安全な住環境だけではなく、地域活動や住民交流を通じて孤立を防げる環境であり、今後は滑りにくい床や手すり、緊急通報設備などを備えた全年齢対応型のマンション設計が重要になる。







































